Act.0 魔王の息子

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「はああぁぁっ!」 前衛のクレドが斬り込んでいった。 打ち合いの隙をついて…… 「ヴァニッシュ!」 ジェイドの上級闇魔法が着弾する。 が、その闇をあっさりと男は振り払った。 「――悪いがオレに闇属性は効かねーんだ」 (相性最悪だなっ!) 自分の専売特許を封じられたのは痛い。 (親父なら魔力の強さでゴリ押しできるんだろうが……) 同属性同士の場合、決着は純粋に力量の差で決まると言われている。 ジェイドの魔力は魔族でもベスト3。 そのジェイドの魔法が通じないとなると…… ほとんどの魔族がこの相手に対して不利ということになる。 (とはいえ、このままクレドに任せっきりにするわけにもいかない) しかしジェイドの薙刀の腕は、男とクレドの間に入れるレベルではない。 できることは必然的に限られてくる。
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