14人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前でクラスメイトが横たわっている。
口から血を流し、手足はあらぬ方向に曲がり、そのまま放っておけば数分で消える命。
(素晴らしいわタケル。人生に悲観して、あなたの夢は砕かれた。私はあなたを知っている。だから私があなたに夢を与えてあげる。)
綺麗な笑顔で。
見る人を魅了する笑顔で。
只の肉塊になっていくクラスメイトを見つめていた。
「あ、あんた何笑ってんだよ!?やべぇどうしよ!絶対死ぬよこれ!」
猛を轢いた運転手が取り乱していた。
猛に助けられた子供はキョトンとしている。
「騒がないで鬱陶しい。あなた、このお金で車をすぐ修理しなさい。出頭しなくても良いわ。いえ、しては駄目よ。」
「な…に、言ってんだよ…このままじゃコイツ死んじまうよ!?」
やれやれといった感じでカトリーヌは言う。
「それで良いのよ。」
一言そう言って、携帯を取りだし電話をし始めた。
最初のコメントを投稿しよう!