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辺りは真っ白。
床も壁も天井も。
病室の様な雰囲気の部屋に一つのベッドがポツンとある。
その上に猛は寝かされていた。
脇には一人の人影が。
カトリーヌである。
今は学校の制服は着ておらず、黒のロングスカートに黒のタートルネック。
そして、真っ白な白衣。
「目覚めた彼はどんな反応を見せるかしらね。」
クスクスと、笑いながら猛の頬をそっと撫でる。
「起きなさいタケル。」
そう言うと、死体のようだった猛が目をうっすらとあける。
自分がどこにいるのか、何が起こったのか、分からないようにボンヤリと。
「ここ…は?僕は…」
「おはようタケル。気分はいかが?」
「カトリーヌさん…僕は確か、子供の代わりに車に轢かれて…」
自分に起きたことをゆっくりと思い出す。
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