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仲良く教室に飛び込み遅刻を免れる。
カトリーヌは肩で息をしているのに対し、猛は涼しげな顔をしていた。
「二人仲良く登校とはお熱いこって。」
ニヤニヤと笑いながら二人に近づく男子生徒。
「うっ…さい…」
まだ息が整わないのか、途切れ途切れにカトリーヌは言う。
「カトリーヌちゃん、コイツとどんな関係なの?」
同じクラスとはいえ、年上の猛に対してコイツ呼ばわりされた事によりカトリーヌは少しムッとした。
「ヤマダ…には、関係な…ぃでしょ…」
「ふ~ん…」
適当に相槌をうち、山田と呼ばれた少年は猛を睨みつけた。
「お前、カトリーヌちゃんとどんな関係?」
カトリーヌと同じ質問。
しかし、含まれている感情は敵意。
「えっ…別になんとも…」
そう答えると、いきなり胸ぐらを掴まれた。
「嘘付くんじゃねぇよ。」
明らかな敵意。
訳も変わらず猛は震える。
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