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「私は城島が嫌いなのよ…ママを変えてしまった元凶だから。」
母を変えてしまった。
どういう意味か分からなかったが、余り深くは聞いてはいけない気がした。
少なくとも、カトリーヌが自ら喋ってくれるまでは。
話を変えようと思い、猛は弁当を食べる。
「…うまい。」
料理が得意ではない猛にとって、冷凍食品が無い弁当は未知の領域だった。
まして、女の子が作った料理は尚更だ。
「カトリーヌ、これ凄く美味しいんだけど。」
「ありがと。そういって貰えると作った甲斐があるわね。…キツネが。」
まさかの一言。
カトリーヌが作ったとばかり思っていた猛は固まってしまった。
「私が作ったと思った?残念ながら、まだ練習中なのよ。その内キツネの代わりに作ってあげるわ。」
笑いながら弁当を食べる。
「狐さん…」
幻想を砕かれた猛は少し狐を恨んだ。
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