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「僕も昨日は驚いたよ。いきなり殴るんだから。」
思い出し、少し笑って
「昨日一緒に帰って喋ったんだよ。それで、少し打ち解けたのかな?」
それは嘘。
しかし、本当の事を喋る訳にはいかない。
この日常を壊したくないから。
この時間を壊したくないから。
人外の力を恐れられたくないから。
そんな、猛の内心を知らず
「まぁ西ちゃんに面倒見るようにって言われてたからなぁ。」
と、友基は納得する。
「それに大和はカトリーヌちゃんを襲う程の度胸も無さそうだし。」
と、笑う。
その時、授業の担当教師が入ってきて会話は終わった。
このクラスで初めて出来た友人。
友基はただ、不思議だったから聞いただけかも知れない。
しかし、猛にとっては何気ない会話がどれだけ安らぎになる事か。
(せめて、こんな時間が少しでも長く続くように…)
新たな決意。
猛はそっと拳を握った。
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