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「ニュースのお時間です。○○市で起きた猟奇殺人事件の…」
朝、ボンヤリと朝食を食べながらニュースを見ている少年。
大和 猛。
どこか覇気がなく、伸びた前髪が目元を隠して暗い印象を与える。
完全に名前負けである。
「今日から始業式だけど…めんどくさいなぁ。」
どうせダブリだし…
と、ボソリと呟いた。
猛は高校2年生を留年している。
理由は引きこもりにより、修了不足。
「それにしても猟奇殺人か…また物騒だな。現場も近いし…」
朝から陰鬱なニュースみ聞いて、さらに暗くなる。
朝食を食べ終え、食器を流しに置き、家を出る前に仏壇に手を合わせた。
「行ってきます。父さん、母さん。」
猛は家を出た。
この後に待つ、自分の人生を狂わす出来事が起こる事を知らずに。
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