14人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
「ここ、去年もしたなぁって思ってね。」
咄嗟の嘘。
「だからちょっと暇で…」
眠たい顔を作り、何事もなかったかの様に振る舞う。
「まぁ、同じ授業受けるのはつまらないわな。」
と、言ってまた前を向き直した。
(危なかった…余り集中し過ぎるのも良くないな。特に聴力は気を付けないと、頭が痛くなる。)
ブルブルっと携帯が震える。
先生に見つからないように隠れてメールを読むと
狐さん
【怪人が現れた。至急家に戻ってくれ。】
周りの音が聞こえなくなった。
昨日の今日で、怪人が現れたのだ。
殺し合いの世界。
相手が死ぬか、自分が死ぬか、そんな非日常に片足をつっこんだ自分。
顔を上げカトリーヌの方を見る。
カトリーヌは既にこちらを見ていた。
まるで、あなたの出番よと言わんばかりの目で。
猛は頷き
「「先生!気分が悪いので早退します!」」
カトリーヌと言葉が重なった。
最初のコメントを投稿しよう!