災禍

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「ここ、去年もしたなぁって思ってね。」 咄嗟の嘘。 「だからちょっと暇で…」 眠たい顔を作り、何事もなかったかの様に振る舞う。   「まぁ、同じ授業受けるのはつまらないわな。」 と、言ってまた前を向き直した。   (危なかった…余り集中し過ぎるのも良くないな。特に聴力は気を付けないと、頭が痛くなる。)   ブルブルっと携帯が震える。 先生に見つからないように隠れてメールを読むと   狐さん 【怪人が現れた。至急家に戻ってくれ。】   周りの音が聞こえなくなった。 昨日の今日で、怪人が現れたのだ。 殺し合いの世界。 相手が死ぬか、自分が死ぬか、そんな非日常に片足をつっこんだ自分。 顔を上げカトリーヌの方を見る。   カトリーヌは既にこちらを見ていた。 まるで、あなたの出番よと言わんばかりの目で。 猛は頷き 「「先生!気分が悪いので早退します!」」 カトリーヌと言葉が重なった。
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