動き出す悪

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始業式も終わり、自分のクラスに向かう。 去年と同じ教室。 2ーBと書かれた札がある扉を開け、席に着く。   周りは知らない少年少女達。 遠慮なく視線が注がれる。 (やっぱり来るんじゃなかった…) そう思った時   「暗いオーラを出すんじゃない!」 ポカリと頭を殴られた。 突然の事に猛は目を点にさせる。   「え…あっ…ご、ごめんなさ…い?」 頭を上げると目の前に腕を組み、猛を見下ろす一人の少女。 金髪碧眼で、長い髪を後ろで一纏めにしている。 少女と言うより、女性と言った方が良いかも知れない。   「始業式早々に暗い顔してんじゃないわよ、ダブリさん。私のクラスにそんな奴は要らない。」 と、辛らつな言葉を浴びせ猛を見下ろす。 否、睨み付ける。   「なんかごめんなさい…でも、いきなり殴るのはどうかと思う。」 そう言うと少女は猛をギラリと睨み付ける。
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