憧れの代償

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「私達は力を与えたわ。怪人と戦えるだけの…いいえ、圧倒する力を。でもね、正義のヒーローなんて一言も言ってないわ。タケルが勝手に正義のヒーローになれると勘違いしただけ。」 「貴方はダークヒーローなのよ。」   ダークヒーロー。 今まで思った事もなかった一言。 「じゃあ…僕は何の為に…」 「怪人を滅ぼす為よ。それ以外に何があるって言うの。」 「っ!ふざけるなよ!人の体をこんなにして!あんた達の玩具にされて!怪人と戦え?殺せ?それじゃあ只の道具じゃないか!」   「猛君、少し落ち着け。」 狐は猛をなだめようとするが 「うるさい!落ち着け?これが落ち着いていられますか?人間を捨てて、ヒーローにすら成れず、挙げ句に災禍なんて名前まで付いて…」   猛は泣いた。 自分の運命に耐えれず、感情が爆発した。 「だが、カトリーヌが助けなければ君は死んでたんだぞ?」 「助けてなんて頼んでない…」 そう呟いて、武は部屋から出ていった。
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