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(感情に身を任せて出てきたは良いけど…手ぶらじゃ何も出来ないな…)
携帯も財布も全て置いてきてしまった。
そこまで頭が回らなかったのだった。
(いいや…夜中になったら、こっそり荷物を取りに行こう。)
沈んだ面持ちで河川敷を歩いていると
「大和ぉー!」
横から猛を呼ぶ声がした。
声のする方に目を向けると
「お前、早退したんじゃなかったのかよ。」
呆れた顔で友基が近づいてきた。
(あ…そういえば…)
「ダブリだからって授業に余裕こいてると、足元掬われんぜ。」
「あはは…そうだね。」
友基は怪訝な顔をし
「なんかあったか?」
(…友基は良い奴だね。)
猛は心中で友基に感謝した。
「いや、何でもないよ。友基こそ、何でこんな所に?」
「こんなとは酷いな!…ここなー…俺の現実逃避スポットなんだよ。まぁ、お気に入りの場所ってやつ。」
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