memory1 ―旅―

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沖田: 「何で土方さんが居るんですかかねー?」 土方: 「俺が居ちゃ悪いのか、総司」 非番で町中をぶらついていた矢先の事だった。 屯所に居ては、何かと口煩い上司と顔を付き合わせる為、日頃の鬱憤(うっぷん)を晴らそうと甘味所に出向いた沖田。 その上司と出会ったのだから、溜め息と共に憎まれ口も出る。 沖田: 「別に構いませんけど、非番の時ぐらいは僕の前に、その仏頂面は出さないでほしいです」 土方: 「Σてめっ!?」 沖田: 「すいませーん。 この人の付けで、お団子いっぱいくださーい」 土方: 「誰が奢ると言った!? テメーの分はテメーで払え!」 沖田: 「えー。 僕の安い給料じゃムリです。 だから、賃金上げてください」 土方: 「俺と同じくらい貰ってんだろうがッ!!!」 他の客の迷惑も考えずに口論をする二人の耳に、後ろの席でたわいもない世間話をする男達の会話が飛び込んできた。 →
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