―クラス替えを所望すッ!!

5/8
156人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
俺は、脇腹に走る激痛に堪えながら、何とか起き上がる。 つか、いつまで笑ってんだあの粕……。 「いやあ。お前だけだよ。幸音ちゃんにあんなに暴力されんの。ギャハハハぁあべしッ!!」 「うるさい粕」 お前もだったな。 俺は、倒れる健太(粕)に手を合わせて、合掌した。 つか、なんなんだよこのカオスなクラスは……。 ムッシュは健太(粕)には興味ないのか、自分の席に座って、再び俺を見つめた。 だから、お前はなんなんだよ。 「ねぇ幸?」 「なんだいハニー」 「キモッ………。」 ……………。 そんな真顔で言わなくても…………。 俺の、ガラスのハートが、ガシャリと音をたてて崩れた(再生不可) 「それより、さっきからアンタを見てるあいつは何なの?」 あいつ? …………なんだムッシュの事か…。 最初はインパクトあったけど、もう見飽きた。 「あー……ムッシュね」 「なに勝手に名前つけてんのよ……。彼にだって名前は………ムッシュでいいわね」 納得したな。 まあ、ムッシュだから仕方ないが……。 とりあえずムッシュはシカト。 「死体を放置するな!!!」 死体(健太)が急に起き上がった。 ずっと死体でいればよかったのに……。 俺は起き上がって騒いでいる死体を、また殴って気絶させた。 「今なんかいた?」 幸音さん……死体(健太)の存在自体をなかった事にしたな。 俺以上に、扱い酷いな……。 「それより幸。今日は帰りに、私に付き合いなさい♪あ、拒否権はないから♪」 誰か俺に平穏をください。 俺は、自分の境遇の悪さに、笑うしかなかった。 ハハハハハハハハハ……ハァ。 どうやら、強制イベントみたいだな。 まだ入学式も終わってないのに、一日が終わった感覚だな。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!