―クラス替えを所望すッ!!

6/8
156人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
ある程度、幸音と雑談してると、担任が教室に入って来た。 あ!!死体(健太)が起き上がって、自分の席に座った。 なんか、あいつホントに死んでたみたいだったな。 ちなみに、幸音が隣の席で、健太が前だった。 なんでこんな近いんだよ。 「えー…今日から、あなた達の担任になる葉本 紅葉(ハモト モミジ)よ♪」 これまた随分、美人な人が担任になったな……。 栗色のロングヘアーで、毛先を緩く巻いている。 綺麗なレッドブラウンで、少し垂れ目気味だ。 身体は出るとこ出て、へっこんでる所は綺麗なクビレがある。 ええなあ……。 「幸……何鼻の下伸ばしてんのかな♪」 幸音が、どす黒いオーラで詰めよって来た。 正直怖いッス。 実際、俺の女運のなさは、幸音のせいもある。 「そこ!!私が話してるのに、イチャイチャすんな!!」 葉本先生!? これを、どう見てイチャイチャしてるように見えるんですか!!? 外道女に、どす黒いオーラで迫られてるんですよ!? 「先生?今俺達がイチャイチャしてるように、見えました?」 「ええ♪その後何をしようとしてるかまで、わかるわ♪ああ…☆たまんないわぁ♪」 まずい。この先生危険だ。 教卓で、自身を抱きしめて、ういんういんと、体を振る葉本先生……。 ああ……。この人変態か……。 そもそも幸音がなんで怒ってるのかがわからない。 奇っ怪な動きを続ける先生を余所に、幸音の機嫌を善かに直すか悩む俺……。 こうしてる間も、不快そうに視線を向けてくる幸音。 一体どうすれば。 …………仕方ない。 奥の手だな。 「今日一日は、お前の言うこと何でも聞いてやるよ」 そう、これが奥の手……。 この手はあまり使いたくなかったんだよ……。 すると一瞬、幸音の眉がピクッと動いた。 これは、脈ありかな? まさか一日奴隷!? と、葉本先生の発言は聞かなかった事にしよう……。 幸音は、しばらく悩んでいたが、納得してくれたのか、顔が綻んでいた。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!