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「……なによ」
俺の視線を居心地悪そうにして、沙織さんは眉をひそめた。
「いや、別に」
笑ってごまかして、とりあえず飲み物のオーダーをとった。
クリスマスイブ、23時30分。
店内は徐々に混みだし、酔いの回り始めた客とスタッフの熱気も上がる。
沙織さんの席には俺のほかにもう1人ついていた。
沙織さんの連れの女性2人は、そのスタッフと盛り上がっている。
沙織さんは淡々と、けれどもかなりのハイペースでグラスをあけていった。
あまり酔いが顔に出ない沙織さんだけれど、今夜はほんのり、頬がピンクで瞳も潤み気味。
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