ブラザーズ!

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「電話、ありがとうございました。嬉しかったです」 『……ああ』 きっと、先生は今微笑んでいる。 そう思えるくらい優しい声。 『じゃあな』 「はい、おやすみなさい」 ――プツッ。 「うーっ!」 電話を切った後。 なぜかまた嬉しさと興奮がこみ上げてきて、あたしは奇声を発した。 「はあー」 1回、深く深呼吸して気持ちを落ち着かせる。 つい今しがた交わした先生との会話を思い出しながら、1人ニヤニヤとにやける。 「さて、戻ろうかな」 やけに明るい声で独り言を呟いて、あたしは席を立った。 先生との電話に夢中で電気もつけずにリビングにいたけれど、冷静になると、この暗がりは結構怖いかも。 怖い、と思うとますます怖くなり、あたしは足早にリビングの入口へ向かった。 素早く、でもあまり物音を立てないようにリビングの扉を開けて廊下に出ると、突如、目の前に黒い人影が立ちはだかった。 「きゃあ!」 思わず大声をあげる。
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