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次の日目覚めると、すでに翔兄とヒロ兄は起きていた。
あたしはまだ開ききらないまぶたをこすりながら、ムクリと起き上がる。
「……2人とも早いね」
あたしの声に2人が振り返る。
「おはよう。いやー、昨日は爆睡してたわ」
そう言って翔兄は、朝から豪快に笑っている。
「……だろうね」
それを横目でチラリと見て、ヒロ兄が呟く。
あたしと目が合ったヒロ兄は、翔兄に見えないように口元に人差し指を当てて微笑んだ。
『昨日のことは言わないから安心しろ』
――ってこと?
ほんと、ヒロ兄には適わないな。
苦笑いで応えるあたしを、翔兄が不思議そうに眺めていた。
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