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「ダメ。俺だからダメなの」
先生はキッパリと言い放った。
「お前、俺が我慢できなくなって押し倒したりしたらどうすんの」
「……おっ」
押し倒す、だなんて。
ボッと顔が熱くなる。
「……せ、先生なら、あたしは……」
ドキドキうるさい心臓の拍動を感じ、恥ずかしくて先生の顔が見れない。
フッと笑う声が聞こえてあたしは顔を上げた。
ニヤッと笑っている先生と目が合う。
「お前、いつもそういうこと言ってるけど、いざそうなったら絶対ビビるから」
「ビ、ビビりませんよっ」
からかうような先生にムキになって言い返す。
「実際、ビビっただろ。以前」
え?
以前?
先生に押し倒されるなんて、そんな悶絶シチュエーションあったっけ?
「俺が酔っちまって、お前の部屋に泊まったとき」
――ああ!
あれか!
タケルくんと先生が飲んでいた日。
酔っ払って部屋の鍵をなくした先生を、タケルくんがあたしの部屋に連れてきた夜。
来客用の布団がないから一緒にベッドで寝ましょうと言ったあたしに、そんな事を簡単に言ったらダメだと注意された。
男を甘く見るな、と戒めとして押し倒すフリをされた。
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