ブラザーズ!

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「……あ、あは。あははは」 もう笑うしかない。 あたしは自分でも分かるくらい不自然な笑い声をあげた。 「だから、危ないわけ。結城がビビっても止める自信がないから。だから、簡単にそういうことを言わないように」 妙に教師ぶった口調で先生が言っても、あたしはなんの反論もできなかった。 「……はい」 素直に頷けば、先生は満足そうに口角を上げた。 「――で、お前、昼メシはもう食った?」 突然の話題転換。 あたしはやかんのお湯を思い出した。 「あ、いえ。ちょうど今食べようと思って……だから、やかん……」 部屋の奥を指差しながらそう言うと、先生は「あー」と頷いた。 「じゃ、まだ食べてないんだろ?良かったら一緒に食べないか」 「食べます!」 先生の提案に、あたしはすごい勢いで返事をした。
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