ブラザーズ!

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「おいひい!」 オムライスを頬ばったまま、あたしはたまらず歓声をあげた。 「へんへ、ほえ、おいひい!」 テンション上昇中のあたし。 むぐむぐと口を動かしながら、先生に話しかける。 お行儀が悪いけれど、飲み込むまで待っていられない。 そんなあたしを、先生は呆れたように眉を下げて見つめている。 「まず食え」 素っ気なく言い放ち、先生は大きく口を開けて自分の分のオムライスを食べ始めた。 先生は端正な顔立ちをしているくせに、食事は結構豪快だ。 大口を開けて、もりもり食べる。 見ていて気持ちがいい。 あたしはしばらく、先生が食べる姿を眺めていた。
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