ブラザーズ!

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怒っていたはずなのに、一度緩んだ頬はもう戻らなかった。 先生と一緒になって、あたしも笑った。 「……はー、もう。先生が変なこと言うから」 笑いが落ち着いた頃、ため息をつきながら先生を軽く睨んだ。 「図星言い当てられて、つい笑っちまったんだろ」 「図星じゃありません」 ベーッと舌を出すと、先生は「ガキ」と呟いた。 小憎らしい発言だけど、あたしの心は穏やかだった。 先生の、「ガキ」と言った時の瞳がとても優しかったから。 気持ちが通じ合ってから、先生との2回目のランチ。 1回目は、デートで行ったかわいい洋食屋さん。 その時もあたしはオムライス。 オムライスはもともと好きだったけれど、ますます好きになりそう。
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