14771人が本棚に入れています
本棚に追加
結城がギュッと目をつむった。
俺の唇が頬に触れると、反射的に肩をすくませながらも、息を殺してじっと動かない。
……怯えた小動物みたい。
ふっとそんな考えが頭をよぎり、思わず顔がほころんだ。
そして、またその閉じられた瞼へキスを落とす。
キスをする度にピクリと身体を震わせる結城の反応がかわいくて、俺はおでこや頬に何度も何度も口づけた。
「…………っ」
夢中で結城に触れていた俺の耳に、わずかな息遣いが聞こえた。
結城の口から洩れた、ほんとに小さな、甘いため息。
そこでハッと我に返った。
うっとりと瞳を閉じている結城の顔が目の前にある。
突然、俺の行為が止まったためか、結城がゆっくりと目を開けた。
「……せん、せ?」
悩ましげな視線で、俺の様子を伺うように覗き込んでくる。
最初のコメントを投稿しよう!