バック・トゥ・ザ・クリスマス

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「あたしが……結城りおが……欲しいの?」 結城の質問に、俺は一瞬きょとんとしてしまった。 あんなにキスをして抱き締めたじゃないか。 お前も、それを受け入れて切ないため息まで漏らしていたじゃないか。 何をいまさら、と笑おうとしたけれど、改めて結城の表情を見た俺は思いとどまった。 期待を含んだ瞳をしていた。 けれどそれ以上に、不安で眉をひそめていた。 ――ああ、そうか。 今までの俺の拒絶のせいで、結城の心は完全に信じることを恐れているんだな。 かわいそうな事をした、と思うけれど、そのビクビクした態度がいじらしくて、ついつい目元が緩む。 フッと笑いながら、俺は結城をまた抱き寄せた。 「ん。欲しい」 結城の後頭部に添えていた右手に力を込める。 「もう、我慢できなくなった」 腕の中、すっぽり収まった結城に覆いかぶさるようにして、俺は彼女の唇を塞いだ。
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