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うるさいのは大嫌いだけど。
静かで変わり映えのない毎日が落ち着くのだけど。
なぜか憎めない。
つい目がいってしまう。
不思議な子だよね、ほんと。
――なんて、しみじみ思ってる場合じゃないんだって。
ほんとに大丈夫かな、結城りお。
廊下やリビングだったら様子も探れるんだけど、部屋に入られるとお手上げだ。
これは、やはりそろそろ『買い』かな。
結城りおの身を守るため。
ひいては、「きんもく荘」の平穏を守るため。
盗聴器。
僕は、夜が明けてもなお、かのブツを手に入れるべきか否か悩み続けていた。
年明け早々、こんなにも考えさせられるとは。
ほんとに結城りおのせいで、僕のペースは狂いまくりだ。
――END――
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