マスターへの道

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キラーン。 物陰には、怪しい人たちがいた。 ・・・のほほんとした空気だ。 「アイツ見どころあるねぇ。どう思う?自転車マスター」 「うーん、しかし、道具を使うタイプじゃなさそうですな。素手のケンカでしょう。 ねぇ、美肌マスター」 「でもお肌に気を使ってるわけでもないわよっ。。それより、あのタフさ。心の強さ。 ナンパマスター、どう?」 「あれなら、何回断られても大丈夫そうやなぁ~。よし、わいが行くわ。任せとき。 アイツはわいの、パピル。弟子にする。」 「ていうかのぅ・・・」 「マスター揃ってこそこそ、なんでこんな隠れてるん」 「だってこわいし・・・」 「殴られるかも・・・」 「ケンカなんてしたことないし・・・」 俊也のケンカは、誰かに見られていた。 それに俊也は気づいていなかったが・・・。 彼らは、"マスター"。 "極めた者"。 東京都内に集まる、サークルメンバーだ。 自称だが、多くのマスターが所属している。 実際、彼らは芸能活動、ビジネス、スポーツ、いろいろな世界で活躍する マスターだ。 しかし、中には決して表舞台には出ないマスターがいる。 ヤクザ、暴力団、暴走族・・・ ともあれ、彼らは月に何度か 「パピル探し」をする。 弟子探し、ライバル探しのことだ。 マスターは必ず1人、パピルをつけるのがサークルのルールだ。 そして、マスターを超えたパピルは新マスターになり、 旧マスターはサークルから抜け出すルールになっている。 パピルが欠けた次の月、マスターはグループを作り、 街でパピル候補を探す。 テレビ、雑誌、口コミなどで作られたリストを元に、 グループで訪問しにいくのだ。
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