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重い。なぜだろう? 寒さも引き、掛け布団を薄くしたのだが、昨日よりも布団が重い。
「鞘、刄のテント張ってる」
「峰、オレにも見せろよ!」
「刄のテントはオレが貰う」
ああ、今日から高校か。だからこいつら朝から盛んなんだな。
「鞘、峰、お前ら退けろ」
俺は近くにいる方の背中を揺さぶり、退けさせようとする。
「「お早う、オレの嫁」」
満面の笑みで言う二人。
「俺が男だ。この本原刄【モトハラ ヤイバ】が男で、お前ら姉妹は女! 嫁は取れないんだよ!」
この二人は、姉妹で一人称がオレ。数少ない違いは、姉の鞘は赤髪のショートヘアで少し熱い性格に対して、妹の峰は蒼髪のショートヘアでクールな性格だ。
「てゆうか、早く退けろって言ってんだろ」
「「萌えた?」」
そしてこいつらは、趣味で身に付けたオタ知識で俺を誘惑してくる。だからだろう。今日も二次元の王道じみた朝から始まった。
そして、会う度に萌えたかどうか確認してくる。
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