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「ほんとに、これでいいんだな…」
「うん。私の決めた事だもん。
それより、父さんも
ほんとにいいの?」
「あぁ! 私の決めた事だ!」
そう言うと、父さんは力強く抱きしめてくれた。
「本当はなぁ、お前にはこんなことしてほしくない。
お前は、ほんとはっ…」
「父さんっ!!
誰かに聞かれる。
さっきも言ったでしょ?
私は…僕は男として生きる…。
父さんが僕に与えてくれた命だから…
父さんに恩返しがしたいんだ。
その為にはこうするしかない…」
「しかしっ他に、違うやり方がっ…!」
―コンコン
私達の会話を遮るように、ドアのノックが鳴った。
「失礼します」と入ってきたのは、優しそうな中年男性。
その男の人はドアを閉めると、一礼して、側まで歩み寄る。
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