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廊下を歩いて行く足音が遠のいて行くのを確認すると、ふ…と誉の表情が無くなる。
「相良、これより生徒会室を中心に半径500m圏内にジャミング判定と盗聴器・盗撮機の捜索。
千鳥、校内付属のコンピューター及び記録媒体への侵入形跡が無いかチェック。
四鬼先生は、夜間組と校内の巡回と設備環境の確認に向かって下さい。
…雅治は俺と部活棟の見回りに行くぞ。」
「はっ、了解しました」
「分かりました」
「…フン、今日の同行者は"処刑人"か。楽しめそうだな」
「おーいシキティ、頼むけぇ学校内の設備だけは傷付けんでよ?
この前給湯室が使えん、て公務員の山田さんが斧持って雲雀追っかけとったんじゃから。」
各々誉の指示に従い、相良は小脇にツァスタバを携えて放送室に向かい、千鳥は相良の後を追うように出てゆく。
四鬼はそれまで着ていた服を脱ぎ捨てると、生徒会室内にあるロッカーから着替えを取り出し身につける。
黒い合成レザーの衣装に身を包むと、更にロッカーから布に包まれた真剣を一振り持ち出し鞘から抜く。
「…三枝、お前この間"正宗"を研ぎに出したのか?」
「刃毀れしてたんで…。ご迷惑でしたか」
「いや、何でもない」
刀の波紋を眺めてから鞘に戻し、腰に備えると一階の宿直室に向けてゆっくりと歩き出した。
その背中を送り出し、仁王は隣でコートの袖に腕を通している誉に言った。
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