第一章 転校生現る

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廊下を歩いて行く足音が遠のいて行くのを確認すると、ふ…と誉の表情が無くなる。 「相良、これより生徒会室を中心に半径500m圏内にジャミング判定と盗聴器・盗撮機の捜索。 千鳥、校内付属のコンピューター及び記録媒体への侵入形跡が無いかチェック。 四鬼先生は、夜間組と校内の巡回と設備環境の確認に向かって下さい。 …雅治は俺と部活棟の見回りに行くぞ。」 「はっ、了解しました」 「分かりました」 「…フン、今日の同行者は"処刑人"か。楽しめそうだな」 「おーいシキティ、頼むけぇ学校内の設備だけは傷付けんでよ? この前給湯室が使えん、て公務員の山田さんが斧持って雲雀追っかけとったんじゃから。」 各々誉の指示に従い、相良は小脇にツァスタバを携えて放送室に向かい、千鳥は相良の後を追うように出てゆく。 四鬼はそれまで着ていた服を脱ぎ捨てると、生徒会室内にあるロッカーから着替えを取り出し身につける。 黒い合成レザーの衣装に身を包むと、更にロッカーから布に包まれた真剣を一振り持ち出し鞘から抜く。 「…三枝、お前この間"正宗"を研ぎに出したのか?」 「刃毀れしてたんで…。ご迷惑でしたか」 「いや、何でもない」 刀の波紋を眺めてから鞘に戻し、腰に備えると一階の宿直室に向けてゆっくりと歩き出した。 その背中を送り出し、仁王は隣でコートの袖に腕を通している誉に言った。
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