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「そう言えば、今年は転校生がおるらしいの?」
居残っていたオカルト研究部と天体観測部を帰らせ、これから体育会部へと向かおうとする誉に、仁王が部室棟の鍵の束を渡しながら尋ねてきた。
「何だ、もうお前の耳に入ってきてるのか。何処に聞き耳立てていたんだ」
「いや、モロキンにええ加減染色しろっちゅうて指導室で一悶着しとる時に聞いての。
で、どんな奴が来るんじゃ?」
「ん~…」
答えに難色を示す誉と仁王が部室棟をでようとした、その時。
【ア、サマナー。止マレ】
「??」
不意にライジュウが二人の上着の端を掴んで引きとめる。
「どうした、らいじゅ
言い掛けた誉の前方を、突如轟音を立てて天井が崩れ落ちた。
天井を構成していた梁の木材や金属板、コンクリの欠片と埃に塗れながら
ドきついピンク色のパーカーを羽織った筋骨隆々の男と迷彩柄のジャケットを身に付けたオッサンが一緒に落ちて来たのを見た誉は、片手で顔を隠し
「Cocksucker…
(やっちまった)」
本日何度目かの重たい溜息をついた。
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