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数十分後、漸く生徒会室に戻ってきた雲雀と草壁は、入口の引き戸を開けて数秒間の間瞼を忙しなく上下に開閉し、静かに閉めようとしたところで仁王に腕を掴まれ制止された。
「何、このカオス」
雲雀の言葉が現す様に、
室内では天井から赤いロープで亀甲縛りで吊るされた上に上から溶けた蝋燭(普通用)が顔面に滴り落ちる仕掛けを施された一人の屈強な男が苦悶の悲鳴を上げ、
またもう一人別の男が四鬼の振るう鞭(SM上級者用、4m)で何度も肌蹴た背中を叩かれ血を滲ませながら苦痛に呻き声を漏らしていた。
「あぁ、アレな。"処刑人"の二人が見っけた現行犯」
「…何の?」
雲雀の問いかけに、四鬼が表情を変えず腕を振るい続けながら答えた。
「見回りをしている途中、女子テニス部の更衣室から出てくる怪しい人影を見つけたので、追い掛けて居たら他にも演劇部の衣装室からもおかしな人物が逃げるのが見えてな…」
「一応、その不審人物は捕まえたんじゃけど…その、なんちゅうか…」
「……」
二人の長い前振りを聞いていた草壁は、もしやと思い重い口を開いて聞いた。
「もしかして、また…ですか?」
「「……」」
沈黙が、肯定を露わしていた。
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