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「いいか、良く聞けよ。
最初のRulerはスウェーデン語の支配者を意味する。次のRey Negroはスペイン語だ。最後のKaiserなんて分かり易過ぎるだろ。」
『ドイツ語の帝王、つまりウチの学校内で現在ドイツ語を話せる生徒なんて…生徒会長くらい。
現生徒会長は既に動いていたって訳だ』
「そう言うこっちゃ。マズイ、こりゃかなーりヤバいな」
思わぬ敵側の動きに前髪をクシャクシャと混ぜる彼の背後に、フッ…と静かに気配が湧いた。
(…ハン、漸く御出座しってトコか。テメェの行動なんざ三歩先まで見えてるっつーの)
その事に気付かぬフリをしつつ、彼は通信中の仲間との会話を続ける。
「仕方ない。30分したら武器補充にそっち戻るから、撤収の準備しといて」
右手をだらしなく振り、降参を思わせる素振りをした彼の背後で気配が静かに動いた。
瞬間、左足を高めに上げて相手の右手を振り被っての大振りな攻撃を牽制しながら
「た・だ・し、大将にはちょいっと痛い目見てからの引き渡しになるから、向こうさんの書記と会長補佐にこれから無条件投降呼び掛けといて。あ、あと捕虜への見せしめなんだけど…
髪型を坊主かモヒカン。
又は、尻に油性マジックで
ドでっかく『好きなだけ穴を犯してください』って書いて、沖奈の繁華街半裸でパレードさせるか」
『『可哀想だから、止めて(あげなよ・あげんしゃい)!!』』
盛大な突っ込みが帰ってくる時、彼の振り向き様の左拳が生徒会長の眉間を狙い澄まし、脳を揺さ振る強烈なアッパーを決めた。
この時を持って、生徒会長が、彼【八十稲羽の烏天狗】に決まった瞬間だった。
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