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「相変わらず、無愛想な文面だな」
そうぼやいている内に、待っていた新幹線の車両が流れる様にホームへ入ってきた。
俺は携帯電話を上着のポケットへ押しこむと、脇に置いていたバッグを持ち直して新幹線へ向かった。
(…ふと思ったけど、引っ越し済んで無いのに既に転校先の制服着ている俺って、変?)
同時刻、八十神高校。
校舎北にある技術等の二階端に位置する、他の教室より少し広い教室が有る。
入口のプレートには、【生徒会室】の文字。
中に居るメンバーは、つい先日今年度の生徒会役員になったばかりの生徒たちだ。
上座の大きなデスクに座った黒髪に赤のメッシュを若干混ぜた青年が、デスクの端に置かれた名前札を伏せる。
札には、『生徒会長席』の文字。
つまり、この青年が現在の生徒会長である事を示している。
青年に、珈琲を差し出す手が伸びる。
「ありがとさん。そっちは進んでいるか?」
「…ご覧の有様さ」
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