一章 第一話

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「こらこら二人とも。ワイちゃんを虐めちゃダメでしょ?」 そんな二人を止めたのは、胸まで伸びた漆黒の髪を片方で結わえている、 三十代半ばの女性 ふんわりと笑う姿はとても絵になる 女性の名は漣(さざなみ) 勿論リックとエレンの母親であり、当然エーデルワイスの妻である 「いやいやいやいや………」 「お袋の方が虐めてるだろ…。 親父………踏んでる」 二人からの蹴りを食らったエーデルワイスは床に延びており、その上に漣が聳え立っている格好となっている 「あら、あなた。 こんな所で寝ていたら踏まれるわよ? それに御都瀬さんを探さなきゃいけないんじゃないの?」 ペチペチとエーデルワイスを叩き起こす漣はきっと確信犯 現にまだエーデルワイスの上に立ったままだ
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