何と言う事も無い平凡な不思議

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…………落ち着け、俺。 落ち着いて、頭の中を真っ白にしろ。 ……あれ? 空っぽにするんだっけ? ……どうでもいいか。 白。 空っぽ。 白。 空っ……白って考えたら空っぽじゃなくね? 空っぽって考えたら白じゃないし……。 てか空っぽの時に空っぽって考えたら空っぽじゃなくね? ……もういいか。 いつも通り諦めよう。 状況を整理すると、だ。 学校に偽者が行ってて俺が遅刻したのを埋めた。 と思いきや俺のふりして先に家に帰り、"競技大会だから早く帰ってきた"と言って母さんを納得させて部屋に上がり込んでたらしい。 そして、俺が帰宅して見に行ったら……。 軽い様子で挨拶して光になって俺の中に吸い込まれた、と。 これは夢なんじゃないかと思い、思いっきり自分に”数度目の”ビンタをしてみる。 うん、痛い。 夢じゃないな。 …………落ち着け。 発狂しそうになる気持ちを落ち着けて、勤めて冷静に考える。 母さんには、俺は外出していて、その事を気付かなかった、と言うことで無理矢理に納得させたからな。 怪しまれるのは不味い。 ここで発狂してしまえば、きっと怪しまれる。
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