プロローグ

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目の前に動く人達。 笑顔で駆け寄って来る友達。 いつものメンバーで、いつもの教室で、くだらない会話を繰り広げる。 つまらない。 つまらない毎日が、まるで音楽をリピートさせたみたいに繰り返されていく。 「ねぇ、知ってる?」 「なにを?」 「天津 空ってね、女嫌いなんだよ!」 そんな時、耳に入ってきた面白そうな単語。 「ふーん。女嫌い、ねぇ…」 人知れず浮かべた笑みはまるで新しい玩具を見つけたような、そんな笑み。 「めっちゃ格好いいのに、残念すぎる!」 「あはは。狙ってたの?」 「狙ってないよ~。だって何か女に対して対応ヤバいらしいし」 「へぇ~」 「でも奏なら可愛いから大丈夫かもね!」 「あはは。可愛いくないし、無理だよ」 自然と作り上げられる笑顔。 身に付いた護身術みたいなもの。 「可愛いって!」 「あはは。ありがとー」 目の前に居る友達に、ニコリと微笑む。 天津 空か。 …面白そう。 .
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