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†
──それから日が過ぎて俺は中学生となり、そして最終学年──受験生になった。
志望校は二年の最後にはもう決まっていた。
『時雨青蘭高等学校』
偏差値が高く、また設備が充実していることで有名な学校だ。
なぜこの高校にしたのかだが、それはあの人がいるからだ。
彼女は俺と違い、努力家な上に天才肌という最強のスキルを持った少女であるので、合格は余裕だったらしい。
彼女とは天地の差程ある俺は度々くじけそうになったが、そんな時はある人の言葉を何度も思い出して自分を元気付けた。
『──待ってるから』
俺が彼女に対して、志望校を告げたときにもらった言葉だ。期待されてるかどうかはわからなかったが、かなりの活力になったのは間違いない。
それを支えに俺は挫ける度に、すぐにまた立ち上がった。
そして、結果発表当日。少し寒さが残る三月上旬。
逸る気持ちをなんとか沈めて、静かに番号が発表されるのを待つ。
既に人が何人もいて、不安なのか集団で来た人達は互いに励まし合っている。
俺は友達とは別々に結果を見ることにして、一人でいた。
しびれるような待ち時間を経て、遂に番号が公開される。受験票をグッと握りしめた。
結果は──
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