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†
小学校からの帰り道。複数人で下校する生徒が多い中、俺は一人寂しく帰っていた。
俺が道を通れば、嵐の前の静けさを感じた人々が道を勝手に作ってくれた。畏怖の対象としての視線を含みながら。
それは慣れっこだったし、気にしないようにはしていたけれど、やはり轍に続くように、空気が僅かに震える程の声が聞こえるのだ。
──こわい。
俺にはそう思われることの方が恐かった。何も悪いことはしてないはずなのに、どうしてこんな目にあっているのか。
段々とモチベーションは下がっていき、遂には学校に通うことも苦痛になりかけていた。
そんなくさった毎日を送っていた。
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