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☆ ☆ ☆
ふふふ。この火の話は、ワイのオカンがしてくれた話や。
学校に通ってた時、グレてしもうたワイに話してくれたもんで、人を守る暴力を使いなさいって言われた。
それ以降ワイは、他者の為、人の為に力を使ったんや。
「ハハハ。…僕に、そんな言葉かけてくれる人なんて、アロラさん以外居なかったよ」
「ふ~ん。そのアロラさんっつ人は、ゴッツう良い人やったんやな…」
「うん。捨てられた僕を、見返り無しで育ててくれた、一生の恩人だよ…」
レイが…捨てられた?
「ちょいまて」
「え?」
「今の“捨てられた”ってなんや?」
ワイはおせっかいかも知れへんが、今、捨てられたっちゅう言葉が聞き捨てならんかった。
「……うん。僕はライト家から捨てられて、殺されかけたんだ…」
そっからレイの昔話が始まったんや。
☆ ☆ ☆
僕は大五貴族のトップに立つ、『ライト家』に生まれた。
ライト家の長男として、英才教育や帝王学を習わされてて、ライト家の未来を背負って育てられてきた。
「お兄ちゃん」
「なんだい?」
「お遊びしまょ~」
「ごめん。まだお勉強が終わってないんだ…」
「ハッハハ、レイ。勉強はこのくらいにして遊んで上げなさい」
「でも父上…」
「良いから…さぁ」
それはとてもとても裕福な家庭で、幸せな家だった。
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