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「誕生日おめでとう、レイッ!!」
「お兄ちゃんおめでとぉ~」
「おめでとう。レイ」
父、妹、母の順番に、僕はお祝いの言葉を貰った。
父も笑顔。
妹も笑顔。
母も笑顔。
みんなが僕を祝福してくれたと思うと、とても嬉しかった。
「ありがとう、みんな!!」
どうやら、みんなからプレゼントがあるようだ。
「ほら、ミスリルのチョーカーだ」
先ずは父。
渡されたのは、ミスリル銀で出来た、きれいなチョーカー。
ミスリル銀とは純銀を聖水に浸した聖金属で、オリハルコンに次ぐ貴金属だ。
「はい、プレゼントよ」
次は母。
出てきたのはナイフだった。
「あなたの身を守る為に作った、手作りのナイフよ」
それは一見すると、不格好で醜いナイフである。
しかし母の心遣いか、分厚く丈夫に出来ていた。
「はい、お兄ちゃぁん!」
最後は妹。
それは、漆黒の魔石だった。
「……魔石?」
「うん。お兄ちゃんの為に、買って来たのぉ」
妹はニコリと笑う。
その笑顔は太陽のように眩しく、それでもって暖かい微笑みだった。
「本当に、ありがとう!!」
そうだ、と思い出しながら、僕はポケットを探った。
「コレっ!」
「コレな~に?」
僕が出したのは、妹に向けての、お返しのプレゼントだった。
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