最強とニートと落ちこぼれ

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  フフフと幼い僕は、悪役のように微笑した。 今思うけど、幼い頃ってみんな厨二病だよね。 「僕からの、お返しのプレゼントさ!」 それはタネだった。 「タダのタネじゃないぞ。それは『手紙草』のタネだ!」 手紙草。 それは、タネに念を込めると、発芽し、三年で一枚の葉っぱになると言う草。 僕はそれに、『御礼』の言葉を込めたんだ。 「ありがとう、お兄ちゃん!」 みんなの笑顔に包まれながら、僕は思った。 “産んでくれてアリガトウ” その思いも、それから5年後には、変わり果てている気持ちとも知らずに。
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