4449人が本棚に入れています
本棚に追加
フフフと幼い僕は、悪役のように微笑した。
今思うけど、幼い頃ってみんな厨二病だよね。
「僕からの、お返しのプレゼントさ!」
それはタネだった。
「タダのタネじゃないぞ。それは『手紙草』のタネだ!」
手紙草。
それは、タネに念を込めると、発芽し、三年で一枚の葉っぱになると言う草。
僕はそれに、『御礼』の言葉を込めたんだ。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
みんなの笑顔に包まれながら、僕は思った。
“産んでくれてアリガトウ”
その思いも、それから5年後には、変わり果てている気持ちとも知らずに。
最初のコメントを投稿しよう!