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「き、気にするな、レイ」
父上が気を使ってる事はわかる、しかし、顔が本当に焦っていた。
「あら。どうしましたか?」
部屋の中の異変に気づいたのは、他の誰でも無く母上であった。
「それが…それを見てくれ」
父上は属性測定器を指差し、母上に目を移すよう促す。
それにつられて、母上は属性測定器を恐る恐る覗き込んだ。
「これって――闇属性!?」
母上から、血の気が引いて行くのがわかる。
そして僕は、自分に取り巻く視線の異変を感じ取った。
「まさか、私の子が落ちこぼれなんて!?」
母が僕を見る目線が
人を見る目から
ゴミクズを見る目に
変わって居たのを……。
「え?」
母の言葉と態度に信じられず、僕は戸惑いながらも母上を見直す。
しかし、見間違えでは無く、母は汚物を見る目で僕を睨んでいた…。
「母上――」
「しゃべらないで、クズ!!」
その言葉は、僕の心臓にナイフが刺さったような衝撃を与えた。
「あんたの所為で、ライト家は終わりよ!!」
ガツンッと鈍い音がしたと同時に、頬が痺れるような痛みに襲われる。
「―――ッ!?」
一瞬、何が起きたかサッパリ分からなかったが次の瞬間自体を把握した。
「ウソ…でしょ…?」
僕は母に殴られたのだと。
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