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そして父が死んだのを良いことに、母上は僕に虐待を始めたのであった。
「クズのくせに長々と寝てんじゃ無いわよ、さっさと起きなさい!!」
腹が立ったら、殴ったり蹴ったりを繰り返す。
嫌な事があったら魔法まで使って痛めつける。
1日に2食のご飯にありつけたら良い方で、3日間の断食もさせられた事もあった。
「ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ」
「ウルサいよ、クズ!!」
「ゲホッ!!?」
精神的にも肉体的にも、限界は確実に近づいて来ていた。
日に日に体の生傷は増えていき、心も病んでくる。
では何故僕は壊れなかったか。
それは妹のアリスのおかげであった。
「兄さん大丈夫?」
「うん。僕は平気だよ…」
傷つけられた体は、アリスの不器用な回復魔法で癒やしてくれる。
傷つけられた心は、話し相手になってくれて、壊れないで居られた。
生きる目標とまでなっていた。
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