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☆ ☆ ☆
ああ、言ってしまった。
目の前の大阪弁の少年に、僕の秘密を 話してしまった…。
きっと彼は僕を、ゴミを見るような冷たい目線で見るのだろう…。
しかし仕方の無いことだ。
闇魔法は、魔族やモンスターしか使えない、忌まれた力。
もしかしたら、彼は僕を軽蔑しないかもしれない。
しかし今度は、恐怖の対象として見られんだろう。
「それがどないしたん?」
「――え?」
驚きの言葉を、この短時間に何回僕は吐いただろう。
大阪弁の少年は続ける。
「闇魔法だからどうしてん。それで困るんか?」
「けど僕は、その外の魔法を使えないんだよ!!」
「しらん。つか闇魔法なんてカッチョェ~属性持っとんねんな」
僕は少年の言葉に絶句した。
闇魔法が格好良い?
一般人が聞いたら、間違いなく彼は精神科に連れて行かれるだろう。
闇魔法は忌まれても、決して尊敬されるような力じゃない。
それどころか、一つ間違えれば殺されてもおかしくない力だ…。
「闇魔法は凶暴だ!!決して人を守る力じゃ無いんだぞ!?」
気づけば僕は、息を荒げながら怒鳴っていた。
しかし少年は、意にも介さず、話を続ける。
「お前、火はなんで日常にあるか知っとるか?」
「火?」
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