のび男の悲劇

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地面にあけた丸い穴 その穴の上に二枚の板を渡しただけの汲み取り便所 通称「ドボン便所」の便壺に、我が子のび男は落ちたのだろうか? だとすっと‥ のび男は糞まみれだべ‥ マサ子は走る。 しかし走る足は心なしか渋りだす。 マサ子のスピードががくんと落ちた。 素手で引っ張りあげっのわなぁ‥ ちっとなぁあ‥ おらまで 糞まみれになっちまうべ‥ マサ子は走る。 走りながら のび男につかまらせる棒やらを探す。 マサ子がついに最終コーナーを回った。 便所小屋と そこに立てかけられたクワを マサ子の視覚がとらえた。 ひ~! だぢげてぇええ!! のび男の叫び声が 一際大きく上がる。 いまいっがら!! マサ子は片手にクワを掴むと便所小屋に飛び込んだ。 ‥!! のび男は‥ 便壺に落ちてはいなかった。 二枚の板をしっかり跨ぎ、白いケツをこちらに向けてしゃがんでいた。 ‥しかし その白いケツからは ケツの白よりも更に白い色をした細いヒモが長く伸び、ケツの周りをのたくっている。 !!! サナダ虫け!!!!? マサ子の肌に ぷつぷつと音を立てて泡が浮き、マサ子は全身鳥肌人間になっていった。
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