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意気消沈する目の前の男子を見て、にこやかな笑顔で美紀は言った。
「大丈夫。お膳立てをしてくれれば仕上げはね」
「お膳立てって俺に何をさせる気なんだよ佐藤?」
「それはね……」
桑田にだけ、かろうじて聞こえる声で美紀は囁いた。悪意にしか取れない言葉を。
この女“一体”何をする気なんだ? 普通そこまでやるのか、やれるモノか!?
桑田はこの場に1人で来た事を後悔するが、もう後のマツリだ。美紀の主催する“参加自由型”最悪カーニバルで脅されて踊らされるハメになる。
勇気を出して引き返す事も、彼には出来た。
しかし我が身かわいさで、自分の意思とは関係なく人は流される。
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