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新学期開始から1週間が経ち、綾はいつものように教室にやってくる。
幼稚園以来の腐れ縁的親友、工藤と関谷の二人はクラス替えで別々となる。
「オハヨー、美紀ちゃん」
いつものように朝の挨拶をしても何故か? 私無視された。
「どうしたの美紀ちゃん?」
昨日までとは打って変わった不可解な美紀の態度が気になる綾、彼女を怒らせるような事は何もした覚えがないから少し困惑する。
誰でも機嫌の悪い時ってあるよね。美紀ちゃんも今そうなんだろうから、少しだけそっとしておこうかな。
その日綾と美紀の二人は“一言”の会話も交わす事なく1日を終えた。
その日はおかしな1日だったくらいにしか、この時の綾は思わなかった。それが彼女の苦悩の始まりになるとも知らずに。
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