からくれないに

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 綾と絶交宣言をしたのは最初、クラスの女子達だけだった。“約一名”を除いてだが。  今日はうわぐつが無くなった……昨日は定規で明日は何が消えるかな? こんな程度で私が参るとでも思う人達の事を考える時間がもったいないな。  目に映る悪意はどうにでもなる。それは綾にとって、相手にする気にすらもならない、他愛のないイタズラが続く平和な日々でしかなかった……  最初は--  「ネエ美紀、信楽木の奴さ、全然参らないよね。アイツ泣かせるのどうやる?」  綾をイジメる主犯格の娘達が、今後どのような方法を取るのかを話し合っていた。  「皆でアレをどうにかするにもね。女子だけじゃ無理と思う」  美紀は何かを思い付いて、相談者にたくらみを打ち明ける。
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