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8年後...
「大山さん、書類よろしくね」
「かしこまりました」
高校卒業後、地元の大学に進学した。今では大手企業の事務職で、毎日大量の書類を処理している。時には重要な書類も任され、充実した生活を送っている。
時折、凛のことを思い出す。
何をしているのだろうか?
恋人はいるのだろうか?
あんなにひどいことをしてしまった相手のことを、未練がましく思い出すなんて。まったく、自分の自己中さには呆れる...
「ねぇ華。今日で谷山主任って辞めるんだったよね?」
「そうだったね」
「優しくて頼りになる人だったのにね...」
「たしかに」
雑念を何とか振り払い、同僚の花音と話をしながら仕事を片付けていく。
定時の17:00になると皆が一斉に帰る準備を始めたため、私も書類を片付け、帰る準備を始めた。
今日は辞める主任の送迎会をやるらしい。
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