転機

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学校へ戻り、一通り先生の話も終わり、いざ帰る手前。 マネージャーに止められる。 「あっ……美濃……」 「ん?」 「いや……これからも、野球続ける……よね?」 「どうだろ。身体もボロボロだし」 「そ、か。……うん」 目からほろり。 ひとつ、ふたつ。 「──っ!? な、なんだよ、どうした?」 目の前でいきなり泣かれて普通の人間なら慌てないはずがない。普通であるが故に慌てる。 「ごっ、ごめん……いきなり泣いて。でもっ、もう……もう、君のプレーが見れないと思うと、さ」 「ばっ……」 「うん、ごめんよ。気にしないでくれ。それだけ」 返事出来ずに自転車に跨る。 風は既に冷たく、そして冷や汗をさらに風が冷やす。
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