転機

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◇ 俺を必要だと言ってくれるチームメイトはたくさんいた。 それが本音だったのか建前だったのかはわからない。 本当に必要なのは自分ではなく、自分の能力なのかもしれない。 少なくとも部の中では上手いほうだったから。 それに、自分で思うに、自分より上手い人に出会ったことがないから、この部には自分が必要なんだとも思った。 自惚れでもなく、冷静な目で観察、考察した結果だった。 そして、結果は明らかで、キッチリと残した。 しかし、また辛い思いをするならわざわざ自分から茨の道に足を踏み入れるようなことをするべきなのか、と。 身体のハンデもある。 硬式にも代わる。 そして、高校野球である。 そんな自分でも通用するかどうかすらわかりかねる。
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